会長挨拶

福岡県指定無形民俗文化財「川渡り神幸祭みこしをかつぐ会」のサイトにアクセスいただき誠に有難うございます。

福岡県田川市伊田の「風治八幡宮川渡り神幸祭」は、永禄年間に始まり、今日まで五百年以上も続く歴史と伝統のある祭りで、毎年5月の第三土・日曜に英彦山河川敷を中心に開催され、今日では二日間で延べ20万人以上の観客が訪れる筑豊地区最大の祭りであります。

祭り当日は風治八幡宮の神輿を先頭に、白鳥神社の神輿五色のバレンや真紅の幟で彩られたお供の幟山笠11台が続くたいへん華やかな祭りとなっておりますが、昭和40年代後半には、エネルギー革命により当地の主力産業でありました石炭産業が衰退し、急激に人口が減少したことから神輿の担ぎ手もいなくなり、神輿を台車に乗せて運び、お供の山笠も34台、観客もほとんどいないというたいへん侘しい祭りとなっておりました。

そのような状況の中、「神輿は肩で担がなければ神輿じゃない」「神輿を担ぐことを田川復活の起爆剤としよう」との合言葉のもとに、田川青年会議所が中心となり地元の各種団体・企業が協力して昭和50年に結成されたのが、私たちの「みこしをかつぐ会」であります。

本会は、伝統ある祭りの継承と風治八幡宮の神輿をつつがなく運行することを主目的としておりますが、それというのも私たちが担いでおります風治八幡宮の神輿は、大正9年に京都で製作され本体の重さだけでも1.2トンもある、現在運行されている神輿ではおそらく日本最大級の神輿ではないかといわれているもので、当日は長時間にわたって重い神輿を担ぎ、乗られております神様を無事に風治八幡宮までお連れしなければならないからです。

会発足から本年で48年が経過し、当初は担ぎ手を確保するのにもたいへん苦労していましたが、最近では田川青年会議所以外に、福岡県立大学の学生をはじめとする協力団体の方々、この祭りに参加するため遠くは東京・大阪方面から帰省する人も多く、うれしい悲鳴を上げているのが現状です。

また、最近では白鳥神社神輿や各地区山笠の青年組織であります「川渡り青年友志会」と連携を計り、川の中での神輿と山笠の競演会を行ったりと、筑豊地区最大の祭りにふさわしい勇壮な祭りとなりつつあります。

風治八幡宮の神輿も製作以来100年を経過しておりますが、平成21年に大掛かりな改修を行い、往時の華麗で勇壮な姿がよみがえっております。

是非皆様お誘いの上「風治八幡宮川渡り神幸祭」にお越しいただきたいと思います。

 

                                                       風治八幡宮「みこしをかつぐ会」

                                                               第代会長  杉原 功一